2009年7月某日。久々に北海道にやって参りました。

全道にかかった低気圧の影響で、ずっと雨降りでした。本来の目的地であった内陸の川は、雨こそ上がったものの濁流と化してしまいました。

そこで辿り着いたのが・・・



道南に位置する、長万部です。おしゃまんべ、であります。

それでも雨は降り止まず。

雨の日の釣り師、とは開高健の言葉。釣りに行けない無聊を慰めるほどの余裕もなく、ただ焦燥に駆られるのみ。



ここ長万部には、知る人ぞ知る釣り人の聖地、『GRASS』があります。



レストラン&バーみたいなお店なのですが、ここのマスターが黎明期のフライフィッシャーにして有名な方です。
さらにマスターが腕を振るう料理の絶品たるや、我々を声なく圧倒したのでした。


シルバーマーチブラウン。


ピーターロス。


ダンケルド。


えーと、なんだっけ。マスターのタイイングはとにかく綺麗。
全部実戦用なのが凄い。




宿はイイ感じのひなびた旅館、というか民宿、というか民家。
『GRASS』でひとしきり毛針談義や魚の話をしながら食事を終えると、近くのこの宿へ戻るのであります。
缶ビールを空け、独り。
低く垂れた空。
畳の自室で降り続く雨に恨み節を呟きながらボケ寝をし、持参した文庫本を読み返し、そしてまた地元のテレビを見ながらうたた寝。



道内ほとんど全ての河川は、上流にダムの有無を問わず泥が流れ込み、増水でポイントは沈み、10日間は清流としての本来の姿が戻らないとのこと。


しかし!!

我が師であり今回もガイドをして頂いたKさんが一言。
『・・・ただ一つ。一日で色(濁流)が抜ける川があるんです。明朝そこ、行ってみましょうか。ダメかも知れないけど。』

道南に一縷の望みを抱いて連れてこられたのは、このためだったのか。

明朝。
長万部にある、ただ一つの小さくて不思議な渓流へ。



着きました。某A川。まだ色は残っているものの、他の河川はアマゾン川のようでほとんど諦めかけていただけに、素晴らしい。魚はまだ見えないけれど、生命感に溢れているように感じたのでした。




スーパーウルトラ美しいヤマメがいきなり出ましたぞー うっひょー!



動画です。バラしまくってます。すいません。




泣き尺のイワナがドライで出てくれました。
エルクヘア・カディス#12でした。



ゆったりとした流れにドライをナチュラルに乗せて・・なんて雑誌みたいなコトをやっていると・・・



またも泣き尺の素晴らしいイワナ。



流芯にパラシュートを落とすと・・・


小さいけれど胴がしっかりとした、ヤマメ。



イワナの川と聞いたけど、今日はヤマメが良く釣れます。ヤマメはすぐ下流にある長万部の海に下り、立派なサクラマスになって秋に帰ってきます。



小さな川なので本州並みにトリッキーなキャストも強いられますが、渓相は北海道の持つ大らかな流れを見せてくれました。




・・・ここで、また雨が降ってきて増水してきたので撤退。

3時間しかやってない・・・。

またも濁りが入り、本日、終了。

そのまま今回、終了の予感。


最終日。午後まで待ったところ、奇跡的にこのA川だけが、濁りと水量が抜けました。現地の釣り人のみが知りうる、カーティス・クリークだったのかも知れません。
帰りの飛行機の便があるため、この道南を発つのはギリギリ16時。ただいま14時前。

ラスト1時間ちょいの釣行。



いきなり、こんなかっこいい尺イワナが出ました。ああ、神様ありがとう。



もうポイントは飛ばしながら、見るからに良い場所だけ、ひと流し。


かっこいい幅広ヤマメ、デカいエルクヘア・カディスに炸裂!



イワナも出まくってます。


岸際になんとかフライを落とすと・・・




イワナ連発。凄い小川です。



良い場所に良いイワナが出たところで、タイムリミット。終了。
嗚呼、涙。けっこう数は出ました。



最後まで雨に泣かされて、駆け足でしたがそれでも楽しむことができました。
マスター、K師匠ありがとうございました。



よし、今秋に北海道リベンジ決定。